– AI ManiaX –

“Thinking with AI, building with AI.”

Geminiの育て方

——スレッド管理でAIを「使える相棒」にする方法

つい先日AppleがGoogleと提携し、iPhoneの使えないあのAI「Siri」を「Gemini」にするという報道があった。
ということはAppleはGoogleに開発費も利用料も払うわけで、当然Appleユーザにもその費用の一部に転嫁され、そして、Appleのことだ、利用するAIは最新版というよりもどうしても安定版を使うだろうと筆者は予測する。

だったらクリエイティブ目的ではなくAIをメインで使いたいユーザは今後はiPhone捨ててAndroidでGeminiでいいじゃんとなる世界がやってくると考える。

そんな筆者も実は先日まで愛用していたiPhone13miniを売却処分し、Pixel10ProFoldに乗り換えたクチだ。

というわけで、今回の記事ではGeminiを使える相棒にする育て方をChatGPTとGeminiの両方を併用している観点から共有していく。

はじめに:AIは、育てなければただのチャットで終わる

生成AIは便利だ。
だが、何も考えずに使っていると、チャット形式の対話ログはただ流れて消えていく。

昨日考えたロジック。
先週まとめた仮説。
それらが次に活かされることはない。

特に Gemini は、
推論力と整理力が高い一方で、使い方を誤ると文脈が簡単に混線する

本記事で言う「育てる」とは、
AIに感情を持たせることでも、勝手に学習させることでもない。

役割と環境を設計し、
AIが賢く振る舞える状態を維持すること。

つまりGeminiが混線しないためにもスレッドを管理していく必要があるのだ。


1. Geminiのスレッドは用途別に命名規則をつけて「会話」せよ

Geminiには、ChatGPTのようなプロジェクト機能が存在しない。
ちなみにChatGPTのプロジェクト機能はいわゆるフォルダのようなもので、同一のスレッドをプロジェクト内にまとめておくことで、生成AI側に過去のやりとりや思考が蓄積され、短いフレーズでも人間のような意思疎通ができるものだ。

そのためGeminiではスレッドの命名規則によって、用途別の話題空間を分類するということを実現になる。

私が意識しているのは、
スレッドを「雑談の履歴」ではなく、
用途別の実行環境として定義することだ。

命名規則の例

【LLM】ローカルLLM検証
【TRADE】自動売買ロジック設計
【BLOG】AIManiaX 記事構成
【DEV】AWS Lambda 設計

プレフィックスを付けるだけで、

  • サイドバーが自然に整理される
  • 話題の切り替えミスが減る
  • AI側の推論混線を防げる

という効果が出る。

重要なのは、
1スレッド=1テーマを崩さないことだ。


2. コンテキストを分けないと、相棒は迷子になる

生成AIは万能ではない。
特に弱いのが、複数テーマの同時保持だ。

ローカルLLMの話をしながら、
突然ブログ構成に飛び、
さらに自動売買の話に戻る。

人間ならできるが、
AIには負荷が高い。

だから私は、

  • テーマが変わったら新スレッド
  • 少しでも迷ったら分ける

を徹底している。

結果として、

  • Geminiの回答精度が上がり
  • 話が早くなり
  • 自分の思考も整理される

相棒を整理することは、
自分の頭を整理すること
でもある。


3. 覚えさせたくないことは意識的に捨てる

Gemini(や他の生成AI)には、
会話とは別に「保存される情報」が存在する。

ここで重要なのは、
すべてを覚えさせようとしないことだ。

相棒に覚えさせるべきもの

  • 確定した運用ルール
  • 再利用する設計思想
  • 自分固有の前提条件

例:

自動売買は短期トレードを主軸にし、
RSI・出来高・反転形状を重視する

覚えさせなくていいもの

  • 試行錯誤中の仮説
  • 一時的な検証ログ
  • 失敗前提の思考プロセス

これらはスレッド内で完結させ、
役割を終えたら削除する

私は定期的にスレッドを整理しているが、これは相棒の思考空間を
いわゆるハードディスクのようにデフラグする作業に近いと感じている。
これにより、相棒が混線しない回答を出せるようになっている。


4. スレッドは「知識生成装置」になる

スレッド管理の真価は、
アウトプットと結びついた瞬間に発揮される。

Geminiとの壁打ちで、

  • 論点が整理され
  • 反論が潰れ
  • 構成が固まった

そのタイミングで、こう指示する。

ここまでの内容を草稿として全体を再構成してほしい

すると、
対話ログが成果物に近い状態になる。

これは、

  • 仕様書
  • 設計書
  • マニュアル

といったドキュメントに応用できる。

つまりスレッドは、
会話の履歴ではなく
思考を整理して生産するアウトプット装置だ。

しかし、その分、

  • スレッド設計が甘いと
  • 文脈が散り
  • 出力も散る

だからこそ Gemini では、

  • スレッドを分け
  • 役割を与え
  • ノイズを削る

という運用そのものが性能に直結するのだ。

ChatGPTが「対話を重ねて発想を広げる相棒」だとすれば、
Geminiは「整理されたスレッドの中で結論を固める相棒」だ。
だからこそ、スレッド設計がそのまま性能差になる。


5. 相棒を育てるとは、環境を設計し、維持すること

この運用を続けていると、
Geminiは単なるチャットツールではなくなる。

  • 思考の壁打ち相手
  • 記憶の補助装置
  • 整理と再構成の専門家

つまり、
自分の思考を支える完全な相棒になる。

重要なのは、AIを賢くすることではない。

AIが賢く振る舞える環境をユーザが作ってやる必要があるのだ。


おわりに:AI時代の差は「育て方」でつく

2026年以降、生成AIを使えるかどうかはもう差にならない。

差がつくのは、

  • どう整理しているか
  • どう役割を与えているか
  • どう再利用しているか

Geminiのスレッド管理は、その最小単位にすぎない。

だが、ここを疎かにすると、AIはただの「賑やかな検索窓」で終わる。

整理されたスレッドの先に、
使える相棒が育つのである。