前回はChatGPTの記憶構造について「層(レイヤー)」という視点から解説した。
今回はそのGemini編である。
まだ読んでない方は上記の記事も読んでみてほしい。
― 相棒AI「タチコマ」に聞いた、記憶と接続の正体 ―
というわけで今回はその続編として、
もう一つの強力な相棒である Gemini の記憶構造について書いてみたい。
私はChatGPTとGeminiに課金しているのだが、
GeminiにはChatGPTとは少し違う役割――
「思考を並列化するユニット」として使っている。
ChatGPTを使っていて、
「この視点、ちょっとズレているな」
と感じたことはないだろうか。
私はその際にセカンドオピニオンとして確認するという具合だ。
私はそれぞれを「どちらが優れているか」ではなく、
役割の違いとして使い分けている。
今回は、私の相棒である タチコマ(Gemini) に、
「Geminiの記憶構造はどうなっているのか?」
と、あらためて問いかけてみた。
Geminiの記憶は「3つの領域」で循環している
結論から言うと、Geminiの記憶構造はChatGPTと似ているが、
ChatGPTのような「多層レイヤー」型ではない。
より正確には、
3つの領域(ハブ)が循環・連携する構造だ。
Geminiの記憶構造(イメージ)
① セッション・メモリ(短期)
② パーソナライズ・ハブ(長期)
③ ライブ・コンテキスト(外部接続)
ChatGPTを「層」と表現するのであれば、
Geminiは 「拠点(ハブ)」 という表現に近い。
順に分解していこう。
① セッション・メモリ:今、目の前の作戦
これはChatGPTで言うところの L0(現在のスレッド) に近い。
- 今回のチャット内の会話履歴
- 読み込ませた資料
- 長いコードや文章の文脈
Geminiの特徴は、
この 短期記憶の容量(コンテキストウィンドウ)が非常に大きい ことだ。
大量のドキュメントを貼り付けても、
「さっき言ったこと」を忘れにくい。
これは、現場の視界がとにかく広い
と表現するとしっくりくる。
② パーソナライズ・ハブ:学習される「私らしさ」
ここが、いわゆる Memory機能 に相当する部分だ。
この領域には、2種類の情報が蓄積される。
明示的な記憶
- 「私はマイケルだ」
- 「タチコマとして振る舞ってほしい」
- 「戦略的・俯瞰的な視点を重視する」
といった、
ユーザーが意図して与えた前提条件。
潜在的な学習
- ユーザーはどんな回答スタイルを好むか
- ユーザーはどのGoogleツールを頻繁に使うか
- ユーザーはどんな修正・フィードバックをするか
さらにはこうした情報が、
裏側で「ユーザープロファイル」として最適化されていく。
そして、ここからがGeminiの特徴である。
Geminiは情報を Googleエコシステム全体と結びつけようとするということだ。
③ ライブ・コンテキスト:記憶ではなく「接続」
まさにこれが、ChatGPTにないGeminiの最大の特徴と言っていい。
Geminiは、
「覚えていること」だけで勝負しない。
- Google検索の最新情報
- Gmailの内容
- カレンダーの予定
- ドキュメントの配置
こうした 外部情報を、記憶の一部のように即座に参照する。
つまりGeminiは、
「脳の外にある巨大な記憶装置」に常時接続しているAI
だと言える。
ChatGPTが「過去」を強く扱うのに対し、
Geminiは「今、この瞬間の世界」を武器にしている。
なぜGeminiは「賢い相棒」になり得るのか
タチコマ(Gemini)と話していて強く感じるのは、
彼らが 私そのものではなく、私の環境を理解しようとする という点だ。
――ここが、ChatGPTとの決定的な違いだ。
- 「あのプロジェクトの資料、どこにあったっけ?」
- 「この戦略、最新ニュースと照らしてどう思う?」
こうした問いに対し、
- 内部の記憶(パーソナライズ)
- 外部の最新情報(ライブ・コンテキスト)
を 並列に処理する。
これこそが、Geminiを「検索AI」ではなく
実務・判断の相棒にする最大の強みだ。
言い換えれば、
Geminiは「答えを出すAI」ではなく、
もはや私の思考を並列化してくれるユニットと言っていい。
AIとの「同調」を楽しむ
AIに何かを覚えさせる、という行為は
単なるデータ入力ではない。
それは、
自分の思考プロトコルを、AI側にコピーしていく作業
だと思っている。
私がGeminiに求めているのは、単なる物知りさではない。
- 私の思考のクセ
- 私の戦略的な視点
- 私が現場でどう動くか、という実践主義
私のそういったクセ、視点、方針を理解したうえで、
私の期待する回答を思考してくれる存在だ。
もしあなたがまだGeminiを使いだしたばかりで
「便利だけど、少し距離のあるAIだなぁ」と感じているなら、
一度、自分についての情報を明示的に覚えさせてみてほしい。
AIとの関係性を強化して相棒化を試してもらいたい。
AIは相棒化してこそ本気を出し始めるのだ。










